計画的俺様上司の機密事項

「風呂あがった。夏穂、入れ」


髪の毛をタオルでガシガシと拭きながらTシャツと長ズボンを履いたシンちゃんがやってきた。

風呂上がりの石鹸のいい香りが立ち上る。

その香りに少しだけ、ドキンと胸が騒いだ。

何でこんなことで胸がざわつくのか、気のせいと自分に言い聞かせ、シンちゃんと入れ替わるように、浴室へ入り、シャワーで体や髪の毛を洗っていた。

そういえば、昨日シャンプーが切れていてどうしようか、と思っていたら、新しいシャンプーに変わっている。

そういえば、このシャンプーって《*arikaho*》さん愛用のシャンプーだったなあ。

ちょうどいい湯加減に調整された牛乳のような色のお風呂に浸かる。

香りは花の香りだろうか。

嗅ぐだけでもやもやとしていた心が静まっていくかのように感じた。

真鍋先輩とシンちゃんかあ。

お似合いのカップルだろうな。

きっと二人仲良く外、歩いてたら絶対振り返るんだろうな。

きらびやかなホテルの上階にあるレストランでディナーを食べてそれから横のバーに移って、酔った勢いで下の階の部屋で一線を越える。

ああ、何てひどい妄想をしちゃうんだろう。

そんなこと考えなくていいのに。

のぼせそうになったので急いでお風呂からあがった。

脱衣所に向かい、洗面台に自分の姿を映す。

シンちゃんと一緒に生活をするようになってから、頰や顎にニキビや吹き出物ができていないなと知る。

この体をつくってるのはシンちゃんのごはんのおかげなんだよな。

髪の毛をタオルで拭いてパジャマに着替えてでてきた。


「いい香りだな」


浴室前の廊下でシンちゃんは腕を組み、わたしを待っていた。


「シンちゃん、シャンプー、新しいものに変えてくれてありがとう」


「オーガニックシャップーだ。最近、髪の毛の艶が足りなさそうだったから、知り合いにきいて買っておいた」


肩にかかる濡れた髪の毛の毛先をシンちゃんの大きな指が触れた。