計画的俺様上司の機密事項

「え、美織ちゃんてまさか」


シンちゃんは歯を見せてにかっと笑ってきた。


「真鍋美織。お前の先輩だよ」


「嘘……」


給湯室でみた通り、シンちゃんと上品な真鍋先輩のしっとりとした空気感が二人だけの世界をつくっているようで、入りづらかった。

頰を染めて目を輝かせながらシンちゃんに話をしている真鍋先輩を見るのが初めてだったし、シンちゃんもいつしなくカッコよく映った。

あの二人はまさに絵になる二人だと思う。


「今なら特別に撤回してもいいけど」


挑発するように、声を弾ませながらシンちゃんは得意げに言い放つ。

そうやって野上くんのことで反対するなんて、大人気ない。


「いいよ。好きなら勝手に行けば?」


「そうですか。じゃあ、お言葉に甘えてデートしてくるかなー」


何よ。そうやって子供じみた言い方、昔っから変わってない。


「夏穂よりも美織ちゃんのほうが大人だし、何せ色っぽいし」


そういって、シンちゃんはわざと、わたしの胸のほうに視線を注いでるし。

はいはい、確かに真鍋先輩のほうが胸が大きいですよ。

どうも、すみませんね。

ムスっとすると、また雷が落ちるとつらいから先にお風呂入っておこうっと、と湯飲みに残ったお茶を飲み干し、シンちゃんはお風呂へいってしまった。

そういえば、昔、子供の頃も男の子の友達と遊びに行くっていったとき、シンちゃんは目の色を変えて他の女子と遊ぶからいい、なんていうこともあったっけ。

男の子の友達と公園で遊んでいるところを見て、シンちゃんの連れてきた女の子と結局4人で遊んで帰ったんだっけ。

だけど、なぜだか帰りシンちゃんとわたしだけになって一緒に帰ったんだよなあ。

やっぱりもやもやする。

子供の頃とは違った、焦りと不安が入り混じった感情。

シンちゃんは特別で近所のお兄さん的存在で今では、すっかりおかあさん的ポジションなのに。

それなのに、ひっかかる。