計画的俺様上司の機密事項

「ただいま」


わたしのドアを開ける音に合わせて、いつものエプロンを身につけて玄関前までやってきた。

さすがに今日は怒って出てこないかと思ったけど。


「今日はちゃんと早く帰ってきたんだな」


「もちろん。今日は仕事が片付いたんで」


「そっか。飯できてるから」


気持ち悪いぐらい、わたしの横をくねくねとくっついてくることもあるのに、シンちゃんはぷいっと顔を背けてさっさとダイニングへいってしまった。

いつもよりそっけない態度はなんなんだろう。

荷物を置いて部屋着に着替え、ダイニングへといくと、煮魚、肉のグリル焼きにポテトサラダ、お味噌汁とお漬物、五目炊き込みご飯と手が込んだ料理ばかりが並ぶ。

いただきますをする前に、シンちゃんに話しかけた。


「今日はごめん。シンちゃんが会議に出ている時、野上くんがついてきちゃったみたいで」


「いずれバレると思ったからいいよ」


「じゃあ、どうして掃除なんかさせたの? 他の業務がたくさんあって詰まってるっていうのに」


「いろいろあるんだよ」


「もしかして、これも教育の一環ってやつ?」


「いいから飯食えよ。冷めるぞ」


「わかったよ」


いただきますといって、シンちゃんは汁椀に手をつけていた。

わたしも同じく汁椀に口をつけた。

出汁がきいていて体も心もあったまる気がした。