「一般社員は立ち入りが制限されている場所での掃除ですよ。どうして彼女にさせるんですか!」
野上くんは声を荒げ、わたしが思った通りのことをストレートにシンちゃんに投げかけた。
「野上くん、ちょ、ちょっと」
野上くんを止めようとしたのに、わたしの声は届かないまま、野上くんは話し続ける。
「有沢さんに対して迷惑をかけていると思わないのですか」
シンちゃんは、腕を組んで、ああ、なるほどね、とつぶやいて、今度はわたしに視線を向ける。
あからさまに冷たい目線をくれるので、どう対処していいかわからず、逃げるように自分の席についた。
「有沢本人から聞いたのか」
「そうではないですけど。前々から気になっていたもので。で、今日、彼女が掃除をしているのがわかりました」
「有沢、どうなんだ。あの仕事はつらいのか」
野上くんは振り返り、まだ眉毛を吊り上げたまま凝視していた。
シンちゃんは冷静な分、ピリついたオーラが漂っているのがわかる。
二人ともわたしの答えを待っている。
「……そうではないですが、自分の業務に支障はないといえば……」
「そうか。わかった。有沢、もういい。明日からやらなくていい」
シンちゃんは呆れ返りながら野上くんをなだめるかのように言い納めた。
「でも……」
「鍵を返せ。もういいから」
スカートのポケットから出した鍵をシンちゃんに渡した。
「これでいいな、野上」
「はい」
「じゃ業務へ戻れ」
野上くんは安心したようで、自分の席に戻り、仕事をはじめた。
いたたまれなくなったのか、シンちゃんは机に広げた資料を元に戻すと、また部屋から出ていってしまった。
野上くんは声を荒げ、わたしが思った通りのことをストレートにシンちゃんに投げかけた。
「野上くん、ちょ、ちょっと」
野上くんを止めようとしたのに、わたしの声は届かないまま、野上くんは話し続ける。
「有沢さんに対して迷惑をかけていると思わないのですか」
シンちゃんは、腕を組んで、ああ、なるほどね、とつぶやいて、今度はわたしに視線を向ける。
あからさまに冷たい目線をくれるので、どう対処していいかわからず、逃げるように自分の席についた。
「有沢本人から聞いたのか」
「そうではないですけど。前々から気になっていたもので。で、今日、彼女が掃除をしているのがわかりました」
「有沢、どうなんだ。あの仕事はつらいのか」
野上くんは振り返り、まだ眉毛を吊り上げたまま凝視していた。
シンちゃんは冷静な分、ピリついたオーラが漂っているのがわかる。
二人ともわたしの答えを待っている。
「……そうではないですが、自分の業務に支障はないといえば……」
「そうか。わかった。有沢、もういい。明日からやらなくていい」
シンちゃんは呆れ返りながら野上くんをなだめるかのように言い納めた。
「でも……」
「鍵を返せ。もういいから」
スカートのポケットから出した鍵をシンちゃんに渡した。
「これでいいな、野上」
「はい」
「じゃ業務へ戻れ」
野上くんは安心したようで、自分の席に戻り、仕事をはじめた。
いたたまれなくなったのか、シンちゃんは机に広げた資料を元に戻すと、また部屋から出ていってしまった。

