「野上くん……」
野上くんは目を吊り上げながら、険しい顔つきで、つかつかとわたしの目の前へとやってきた。
「いつも同じ時間に仕事抜け出してどこにいってるのかな、って思って」
野上くんは、わたしの手元にある掃除機に目をやっていた。
「え。これは」
隠そうにも隠しきれない掃除機になすすべなく、どう弁解しようとしても無理だから、黙っていた。
「一般社員は入れない場所で掃除なんかしてるんだ。部長命令なんでしょ。ひどいよね、仕事押し付けてさ」
「……そんなこと、ないよ」
確かにシンちゃんに言われてはじめたことだけど、ある意味気分転換になるからそれでいいと思っていたんだけど。
野上くんは納得いかないようで、口を真一文字に閉じた。
「仕方ないよ。これも上司からの仕事なんだから」
「有沢さん、不思議だね。部長の話になると目の色変えちゃうんだもん」
じろりと白い目で野上くんはわたしを見る。
わたしは野上くんの視線を逃れようとして、野上くんに背を向けて掃除機のスイッチを押して掃除を開始した。
野上くんは後ろから掃除機のホースを取り上げると、スイッチを消した。
「もしかして、有沢さん、結城部長に特別な感情、抱いてるんじゃないの?」
「は? 冗談言わないでよ。あのカッコつけの部長のどこがよ」
振り向いて野上くんに言い放つ。
言い放った瞬間、ちょっと言い過ぎだったかな、と反省した。
「そっか。部長に対しての気持ち、ないんだ。部長との仲、疑っちゃって悪かったね。これで脈ないのがわかって安心したよ」
そういうと、野上くんは自信ありげに目を輝かせていた。
どうしてそんな顔をするのか、よくわからなかった。
それ以上、何を求めているのか、何を話したらいいのか、わからない。
「ごめん、掃除終わらないと戻れないんだ」
というと、野上くんはわたしに掃除機のホースを返してくれた。
「ごめんね。さすがに僕も掃除を手伝うわけにはいかないか。じゃあ戻るよ。また後でね」
と、名残惜しそうに野上くんはわたしを振り返りながら部屋から出ていった。
野上くんは目を吊り上げながら、険しい顔つきで、つかつかとわたしの目の前へとやってきた。
「いつも同じ時間に仕事抜け出してどこにいってるのかな、って思って」
野上くんは、わたしの手元にある掃除機に目をやっていた。
「え。これは」
隠そうにも隠しきれない掃除機になすすべなく、どう弁解しようとしても無理だから、黙っていた。
「一般社員は入れない場所で掃除なんかしてるんだ。部長命令なんでしょ。ひどいよね、仕事押し付けてさ」
「……そんなこと、ないよ」
確かにシンちゃんに言われてはじめたことだけど、ある意味気分転換になるからそれでいいと思っていたんだけど。
野上くんは納得いかないようで、口を真一文字に閉じた。
「仕方ないよ。これも上司からの仕事なんだから」
「有沢さん、不思議だね。部長の話になると目の色変えちゃうんだもん」
じろりと白い目で野上くんはわたしを見る。
わたしは野上くんの視線を逃れようとして、野上くんに背を向けて掃除機のスイッチを押して掃除を開始した。
野上くんは後ろから掃除機のホースを取り上げると、スイッチを消した。
「もしかして、有沢さん、結城部長に特別な感情、抱いてるんじゃないの?」
「は? 冗談言わないでよ。あのカッコつけの部長のどこがよ」
振り向いて野上くんに言い放つ。
言い放った瞬間、ちょっと言い過ぎだったかな、と反省した。
「そっか。部長に対しての気持ち、ないんだ。部長との仲、疑っちゃって悪かったね。これで脈ないのがわかって安心したよ」
そういうと、野上くんは自信ありげに目を輝かせていた。
どうしてそんな顔をするのか、よくわからなかった。
それ以上、何を求めているのか、何を話したらいいのか、わからない。
「ごめん、掃除終わらないと戻れないんだ」
というと、野上くんはわたしに掃除機のホースを返してくれた。
「ごめんね。さすがに僕も掃除を手伝うわけにはいかないか。じゃあ戻るよ。また後でね」
と、名残惜しそうに野上くんはわたしを振り返りながら部屋から出ていった。

