計画的俺様上司の機密事項

中途半端な時間だが、お昼になったので休憩することにした。

朝からあんなに不機嫌で、意地悪されて変な味にされているんじゃないかな、と思ったけど、お弁当の蓋を開けると、鳥の唐揚げに厚焼き卵、ブロッコリーやにんじん、カリフラワーの蒸し野菜に梅干しののっかった玄米ごはんが詰まっている。

味も見た目も抜かりないなあ、と納得しながら食した。

午後の活力をシンちゃんからもらった気持ちで引き続き資料づくりを始める。

30分前になってコピーした資料を指示された順番通りにまとめて、ホチキスで留めて5階の会議室まで持っていく。

すると、他の部の人たちが同じように資料を会議室の長机の上にのせていた。

その中に上条さんの姿をみかける。

向こうから特に話しかけてくることもなく、とりあえず会釈したけれど向こうからは何もかえってこない。

どうでもいいか、と思いながら、資料を並べていると、会議室がざわめき始めた。

常務が会議室にやってきて各部からやってきた社員に一人ひとり声をかけていたのだ。

上条さんにも話をしてから、わたしへ声をかけてきた。


「有沢くん、ありがとうね」


「い、いえ」


「新部署での期待の星だって言っていただけあるよ」


「え、そうですか?」


「結城が推してたぞ、有沢のこと」


「……そ、そうですか。ありがとうございます」


「今後の活躍、期待しているよ」


「は、はい」


常務の温かい言葉にみんな顔をほころばせながら、会議室を後にする。

わたしも資料を置き終えて会議室へと出ようとしたとき、ちょうどシンちゃんが会議室へ向かうところだった。


「時間内に一人でよくやったな」


とシンちゃんはすれ違いざまに甘く耳元でささやくと、さっさと会議室の中へと入っていってしまった。

一瞬、ドキっとしてしまったけれど、仕事だから、と自分に言い聞かせてウェブコンテンツ部へ戻った。