「遅い」
いつもどおり、エプロンをつけたシンちゃんは玄関前の廊下で両手を腰につけて、仁王立ちして待っていた。
「遅いって何ですか。普通に仕事して帰ってきたんですよ」
「遅いなら遅いでちゃんと連絡しなきゃだめでしょ〜、夏穂」
またお母さんシンちゃんの言い草だ。しかもお母さん風に声を高めてるし。
「別にいいじゃない」
靴を脱いでシンちゃんをすり抜けようとしたところ、腕をつかまれた。
「心配だっていう意味にとれないか」
「だから仕事をこなしてから帰ったって」
はあ、とだらしないため息つきでシンちゃんに告げると、つかんだ腕を離してくれた。
シンちゃんは少し目を吊り上げてわたしを見下ろした。
「それにしちゃあ、ちょっと遅いんじゃないの」
「野上くんと一緒だった」
「野上とか!?」
両手を頬につけて、驚きの表情を浮かべる。オーバーリアクションだっての。
「何シンちゃん驚いてるの」
「何かされたのか! オレの大事な夏穂に」
シンちゃんはわたしを上から下までくまなく見回る。
「何もされてません。てか、大事な夏穂って何よ」
「そのまんまの意味だって。で、変なことされてないのか?」
「シンちゃんじゃないので、大丈夫ですっ!」
「そっか。オレだったらいいってわけか」
目尻を下げながらニヤニヤと笑うシンちゃんに今度は変身してるし。
今日みせてくれたヒーロー的な顔つきはどこへいったのやら。
「そんな変な顔しないでよ。確かに今日、上条さんのことについては、ありがたいと思ってる」
「いいんだよ、そんなことは。もう済んだことだ。気にするな」
シンちゃんは変な顔つきから、にこやかなやさしい顔に戻るとぽんぽんと軽く肩を叩かれた。
「飯あるから来いよ」
「う、うん」
まったく驚かせやがってとブツブツいいながらシンちゃんはダイニングへと向かっていく。
焦っているシンちゃんをはじめてみた気がした。
いつもどおり、エプロンをつけたシンちゃんは玄関前の廊下で両手を腰につけて、仁王立ちして待っていた。
「遅いって何ですか。普通に仕事して帰ってきたんですよ」
「遅いなら遅いでちゃんと連絡しなきゃだめでしょ〜、夏穂」
またお母さんシンちゃんの言い草だ。しかもお母さん風に声を高めてるし。
「別にいいじゃない」
靴を脱いでシンちゃんをすり抜けようとしたところ、腕をつかまれた。
「心配だっていう意味にとれないか」
「だから仕事をこなしてから帰ったって」
はあ、とだらしないため息つきでシンちゃんに告げると、つかんだ腕を離してくれた。
シンちゃんは少し目を吊り上げてわたしを見下ろした。
「それにしちゃあ、ちょっと遅いんじゃないの」
「野上くんと一緒だった」
「野上とか!?」
両手を頬につけて、驚きの表情を浮かべる。オーバーリアクションだっての。
「何シンちゃん驚いてるの」
「何かされたのか! オレの大事な夏穂に」
シンちゃんはわたしを上から下までくまなく見回る。
「何もされてません。てか、大事な夏穂って何よ」
「そのまんまの意味だって。で、変なことされてないのか?」
「シンちゃんじゃないので、大丈夫ですっ!」
「そっか。オレだったらいいってわけか」
目尻を下げながらニヤニヤと笑うシンちゃんに今度は変身してるし。
今日みせてくれたヒーロー的な顔つきはどこへいったのやら。
「そんな変な顔しないでよ。確かに今日、上条さんのことについては、ありがたいと思ってる」
「いいんだよ、そんなことは。もう済んだことだ。気にするな」
シンちゃんは変な顔つきから、にこやかなやさしい顔に戻るとぽんぽんと軽く肩を叩かれた。
「飯あるから来いよ」
「う、うん」
まったく驚かせやがってとブツブツいいながらシンちゃんはダイニングへと向かっていく。
焦っているシンちゃんをはじめてみた気がした。

