「有沢さん、あのさ」
そういってから野上くんは両腕を下げたまま両手を拳を握りしめ、さらに下唇を噛みしめていた。
それから黙ってじっとわたしを見つめてくるので、不思議に思った。
「ん? どうしたの」
野上くんは、わたしの問いかけに対して軽く息を吐き、有沢さん、あのね、と口火を切った。
「特集の取材の件なんだけど、いつ、一緒にいってもらえるかな、て」
「ああ、それね。いつでもいいけど」
グルメ本やら情報雑誌のネタだけに頼るだけじゃなくて、現場に行って直接触れたほうが臨場感がある記事に仕上がるもんね。
シンちゃんと一緒に行きたいけれど、都合が悪いし、わたしだけだとうまく記事が書けるか不安だ。
わたしの答えに野上くんが一瞬目を丸くして、それから両手の拳を解いて、すぐににっこりと微笑んだ。
「じゃあ今度の休みの日は? 急だから都合悪いよね」
珍しく野上くんが早口でしゃべっている。
どうしてだか、わたしから視線を逸らした。
今度の休みかあ。さすがにシンちゃんにいっても仕方ないしなあ。
「わたしは別に構わないけど」
「本当?」
「いいよ」
やった、と野上くんはガッツポーズをしている。
え? そんなに喜ばしいことなんだろうか。ただの仕事の一環としての取材だけど。
「嬉しいな。有沢さんと一緒に取材できるなんて」
「そ、そうかな? ただの取材だよ?」
「だって、週末、有沢さんと会えるんだよ。こんなに嬉しいことってないな、て」
野上くんは顔を少し赤らめながら、今度はまっすぐにわたしを見つめてきた。
そういってから野上くんは両腕を下げたまま両手を拳を握りしめ、さらに下唇を噛みしめていた。
それから黙ってじっとわたしを見つめてくるので、不思議に思った。
「ん? どうしたの」
野上くんは、わたしの問いかけに対して軽く息を吐き、有沢さん、あのね、と口火を切った。
「特集の取材の件なんだけど、いつ、一緒にいってもらえるかな、て」
「ああ、それね。いつでもいいけど」
グルメ本やら情報雑誌のネタだけに頼るだけじゃなくて、現場に行って直接触れたほうが臨場感がある記事に仕上がるもんね。
シンちゃんと一緒に行きたいけれど、都合が悪いし、わたしだけだとうまく記事が書けるか不安だ。
わたしの答えに野上くんが一瞬目を丸くして、それから両手の拳を解いて、すぐににっこりと微笑んだ。
「じゃあ今度の休みの日は? 急だから都合悪いよね」
珍しく野上くんが早口でしゃべっている。
どうしてだか、わたしから視線を逸らした。
今度の休みかあ。さすがにシンちゃんにいっても仕方ないしなあ。
「わたしは別に構わないけど」
「本当?」
「いいよ」
やった、と野上くんはガッツポーズをしている。
え? そんなに喜ばしいことなんだろうか。ただの仕事の一環としての取材だけど。
「嬉しいな。有沢さんと一緒に取材できるなんて」
「そ、そうかな? ただの取材だよ?」
「だって、週末、有沢さんと会えるんだよ。こんなに嬉しいことってないな、て」
野上くんは顔を少し赤らめながら、今度はまっすぐにわたしを見つめてきた。

