計画的俺様上司の機密事項

「給与関係についてなんですが、担当の方、お願いできますか?」


近くにいた女性社員に声をかけると、ちょっと待っててとやっぱり奥の席へと向かう。

案の定、髪の長い女の席に行った。


「またあんたね。何度も呼び出しして。こっちは暇じゃないんだけど」


つかつかとパンプスの音を蹴散らしながら上条さんがやってきた。

こっちだってまだ仕事が残ってるって、と心の中で悪態をついていると、見透かされたみたいでギロっとにらまれた。

肩をすぼめながら、話を切り出した。


「あ、あの。タイムカードのことでお話しが」


「は? 何?」


「最近タイムカードがなくなることがあって」


「だから最近新品が減りが早いのね。ちゃんと管理してもらわないと困る」


上条さんは腕を組んでため息まじりに答えてきた。

ぺこりと軽く頭を下げて、さらに話を進めた。


「それで、今日締め日なんですけど、どうしたらいいかと思いまして」


「タイムカード通り、処理を進めます」


と、上条さんはぴしゃりと強く言った。


「記録がないとちゃんと処理ができないんじゃないでしょうか……」


「記録通りに処理進めますから」


そういって髪をなびかせながら自分の席へと向かおうとしていたところを呼び止めた。


「上条さん、もしかしてそのタイムカード通りって」


くるりと体をこちらに向けて上条さんは鼻で笑った。


「そのまま処理するっていってるじゃない」


そのまま処理って。そうなると困るのはわたしのほうだ。


「今月は休みなく会社に来ました。このままだと欠勤扱いになるんじゃ」


「じゃあ何でタイムカード、無くしたわけ?」


「そ、それは勝手になくなったっていうか」


わたしだってそんなこと知るわけないだろ、だからここに来て相談しに来ているってのに。

上条さんは怒りオーラを漂わせながらわたしのいる受付カウンター前に戻ってきた。