『固くなっちゃったな』
『主任…、余計痛いです…』
『でもさ、柔くならないから我慢してくれ』
『なんか、…不安定です』
『うん。やっぱ我慢だ、しょうがない。冷凍庫にタオルなんて入れたことないからさ』
『我慢とかじゃないです、瞼に当たってないです』
2度目のタオルは凍っていて、歪な形を整えようとしたらバリバリ鳴ってタオルが呆気なく真っ二つに裂けてしまったから、二人で笑い転げた。
それから彼の言う通り、うだうだして、うとうとした。次に目を覚ましたのは丁度お昼だった。
『二度寝過ぎた?』
『こんなに寝たの久し振りです』
『俺も。飯でも食う? 何か作ってやろうか?』
起き出して、ソファーでくつろいでいた彼が立ち上がりキッチンへと姿を消した。冷蔵庫を物色しているようで、カウンター越しに声が聞こえた。
『え、主任がですか…?』
『何、その不安そうな顔。独り暮らしなんだから、料理くらい作れる』
覗き込んだ彼が不満そうに顔を顰めた。
『…ナポリタン、ですか?』
『…もの凄く馬鹿にしてるだろ、それ』
『だって、主任がナポリタン以外食べてるの、見たことないです』
『…俺を怒らせたな』
とか、何とか不機嫌そうに言っておいて、出てきたのはナポリタンだった。



