時折、携帯電話が鳴る。それに出た紘平は大概怒っていた。
『はい? 島野さん、シャープがなくなったくらいで電話してこなくていいですって…』
『またかよ…。だから、寝てるんですって。佐々木さんは話したいかもしれないけど、紗希は話したがってませんから』
『日下までなんなんだよ? それより、紗希の体が痣だらけなんだけど、どういうこと? クリーニング代の釣りで旭川の帰りでいいからさ、旭珈館って店のコーヒー買ってきてよ。手荒な真似した罰』
『平? おやつ1年分と引き換えに、あの3人の携帯壊しといて』
『ほんとにうるさい、…この携帯は一体なんの為にあるんだ?』
紘平はまた独りごちて、電源をシャットダウンした。
熱が下がり始めていて、ホッとした様子で紘平は[私]の頭を撫でていた。けれど、[私]はそれを嫌がり、この期に及んでまだシャワーを浴びたがっていた。
『自分ばっかり、いい匂いでずるい…』
『じゃあ、匂いのおすそ分け』
『この香り、好き…』
『髪、伸びたな…』
『うん…』
2年の間に伸びた私の髪を掬う、大きくて細くてゴツゴツした手。私が触られているわけじゃないのに、どういうわけか触れられいる気がした。
『はい? 島野さん、シャープがなくなったくらいで電話してこなくていいですって…』
『またかよ…。だから、寝てるんですって。佐々木さんは話したいかもしれないけど、紗希は話したがってませんから』
『日下までなんなんだよ? それより、紗希の体が痣だらけなんだけど、どういうこと? クリーニング代の釣りで旭川の帰りでいいからさ、旭珈館って店のコーヒー買ってきてよ。手荒な真似した罰』
『平? おやつ1年分と引き換えに、あの3人の携帯壊しといて』
『ほんとにうるさい、…この携帯は一体なんの為にあるんだ?』
紘平はまた独りごちて、電源をシャットダウンした。
熱が下がり始めていて、ホッとした様子で紘平は[私]の頭を撫でていた。けれど、[私]はそれを嫌がり、この期に及んでまだシャワーを浴びたがっていた。
『自分ばっかり、いい匂いでずるい…』
『じゃあ、匂いのおすそ分け』
『この香り、好き…』
『髪、伸びたな…』
『うん…』
2年の間に伸びた私の髪を掬う、大きくて細くてゴツゴツした手。私が触られているわけじゃないのに、どういうわけか触れられいる気がした。



