優しい胸に抱かれて

たくさんの夢を見た、覚えているのは一握り。

輪郭は朧げで、白色の靄に何度も浮かんでは宙を漂い、シャボン玉のように弾けて消える。


虚ろな夢の続きなのかもわからず、夢なのか現実なのか不透明な狭間で、部屋着を身に包み膝を抱え座っていた。



私が断ち切った[感情]という名の糸をみんなが結び直していた。


『おい、佐々木、これもっと太く補強できるか?』

『島野さん、誰に言ってます?』

『どうやって補強するんですか?』

『こんなほそっこくて頼りない糸だからダメなんだ、鈍ちんめ。まず黄色いマジックで塗り潰してからだな…』

『番線に巻き付けておけばいいんじゃねぇの?』

『あ! あの神社とかにある縄は?』

『平、さすがに注連縄は無理。まず、この切れた箇所を熱収縮チューブで保護してと…』

『それで、それで?』

『それで終わりだよ』

『はぁ? 何だよそれ、手抜きじゃねぇか』

『単管にでも通しとけ。切れたり解けなきゃいいんだよな?』

『適当じゃん…』

『よく考えれば、こんな裁縫で使うような糸だったら俺らより、本人の方が得意だよな?』

『そうだな、自分でなんとかしろってことだ。できなきゃ工藤にやってもらえばいい。よし、作業終了だ』


何、その雑な作業。間に入って行くこともできず、ぽかーんと見ているだけのもどかしさ。


現実っぽい夢の中でも、やっぱり私はこんな扱いなんだと、納得していた。