連れ出されてから20分足らずで戻る。島野さんは「飯食って来い」と、作業場にいた全員を追い出した。全員と言っても、男性は施工で出払っていて、残っていたのは女性数名だけだ。
突然のことにぽかんとしている私が、最も驚いたのはお金を出したからだ。しかも、経費かもしれない。
「ゆっくり[なぽり]で食って来い。一応領収書もらってきてくれ。ゆっくりでいいぞ」
お金を渡した保谷さんに念を押した。
3人だけになった作業場で益々呆気に取られていると「お前は残れ」って、私を待っている間に日下さんが仕入れたおにぎり2つを目の前に置いた。2つとも梅おにぎりで、眉を寄せた。ツナとか鮭とかじゃなく梅。
食欲はあるのに、[なぽり]とおにぎりは雲泥の差だ。腕組みする2人に恨めしそうに顔を向けた。
「経費で落ちんのか?」
「さあな…。だが、マスターにお願いしたし、これで1時間は余裕だな。店舗レンジャーをなめるなよ」
「ほんとに来んのか?」
「先方の課長には12時と伝え済みだ」
時計に目をやり、口角を上げた。企んでいるようなそんな顔をしている。お客さんが来るならおにぎりはあとにしようと、引き出しを開けた。
「柏木、食ってていいぞ。大したことない客だ」
また何かの遊び何だろうと、おにぎりを口へ運びながら楽しそうな島野さんを見ていると、作業場へ姿を現した人物に声が漏れた。
「あ…」
「どうも」
こちらに目を向け、優しい笑顔を向けた[名前の知らない人]の会釈に、私も頭を下げた。
「どうも…」
その返事と共に、ご飯粒が喉に引っかかり咽る私に、日下さんは「お前、面倒くせぇな…」と、溜め息を吐き、煩わしそうにお茶のペットボトルを出す。
突然のことにぽかんとしている私が、最も驚いたのはお金を出したからだ。しかも、経費かもしれない。
「ゆっくり[なぽり]で食って来い。一応領収書もらってきてくれ。ゆっくりでいいぞ」
お金を渡した保谷さんに念を押した。
3人だけになった作業場で益々呆気に取られていると「お前は残れ」って、私を待っている間に日下さんが仕入れたおにぎり2つを目の前に置いた。2つとも梅おにぎりで、眉を寄せた。ツナとか鮭とかじゃなく梅。
食欲はあるのに、[なぽり]とおにぎりは雲泥の差だ。腕組みする2人に恨めしそうに顔を向けた。
「経費で落ちんのか?」
「さあな…。だが、マスターにお願いしたし、これで1時間は余裕だな。店舗レンジャーをなめるなよ」
「ほんとに来んのか?」
「先方の課長には12時と伝え済みだ」
時計に目をやり、口角を上げた。企んでいるようなそんな顔をしている。お客さんが来るならおにぎりはあとにしようと、引き出しを開けた。
「柏木、食ってていいぞ。大したことない客だ」
また何かの遊び何だろうと、おにぎりを口へ運びながら楽しそうな島野さんを見ていると、作業場へ姿を現した人物に声が漏れた。
「あ…」
「どうも」
こちらに目を向け、優しい笑顔を向けた[名前の知らない人]の会釈に、私も頭を下げた。
「どうも…」
その返事と共に、ご飯粒が喉に引っかかり咽る私に、日下さんは「お前、面倒くせぇな…」と、溜め息を吐き、煩わしそうにお茶のペットボトルを出す。



