デスクマットに挟まれていたもの。
受け取らなかった、商品化を讃える掌サイズ賞状が2枚。
捨てたはずの特徴のない顔が並んだメッセージカード。
私の成長を記した5年分の名刺。
それともう一つ。ひっそりと隠れるように裏返しにされていた。
マットを捲り、手に取った。ゆっくりと慎重に表へ返す。
『頑張った証がこれ一枚に全部表れているから、俺も頑張ろうと思えんの』
あの写真も一緒に。
これらがキーボードで覆うように隠されていた。
「なんで、こんなものが…」
マットの下から全てを取り出し、交互に何度も念入りに確かめるように見た。何度見たって、手の中にあるものは変わらず、頭の中で繰り返される残像は色のない悲観的なもの。
『別れよう』
その一言だけが、はっきりと色味を帯びて回想される。
日下さんが戻ってくる気配を背中で感じ、声を上げる。出した声は自分が発したとは思えないほど、切迫し乱れていた。
「…日下さんっ! い、意味…、意味が解らないです」
「どんだけお前のことが好きなんだろうな、あいつは。ただの単細胞なのに。それでもまだ解んねぇなら本人に聞け。これで借りを返したことにはならねぇだろうけど、お前も気づけよ。連中に感化されて口出したわけじゃねぇが、イライラする。じゃあな、お先」
「どういうこと…。日下さんっ! 待って…」
立ち尽くす私を置き去りにし、帰ろうとする日下さんを呼び止める。
受け取らなかった、商品化を讃える掌サイズ賞状が2枚。
捨てたはずの特徴のない顔が並んだメッセージカード。
私の成長を記した5年分の名刺。
それともう一つ。ひっそりと隠れるように裏返しにされていた。
マットを捲り、手に取った。ゆっくりと慎重に表へ返す。
『頑張った証がこれ一枚に全部表れているから、俺も頑張ろうと思えんの』
あの写真も一緒に。
これらがキーボードで覆うように隠されていた。
「なんで、こんなものが…」
マットの下から全てを取り出し、交互に何度も念入りに確かめるように見た。何度見たって、手の中にあるものは変わらず、頭の中で繰り返される残像は色のない悲観的なもの。
『別れよう』
その一言だけが、はっきりと色味を帯びて回想される。
日下さんが戻ってくる気配を背中で感じ、声を上げる。出した声は自分が発したとは思えないほど、切迫し乱れていた。
「…日下さんっ! い、意味…、意味が解らないです」
「どんだけお前のことが好きなんだろうな、あいつは。ただの単細胞なのに。それでもまだ解んねぇなら本人に聞け。これで借りを返したことにはならねぇだろうけど、お前も気づけよ。連中に感化されて口出したわけじゃねぇが、イライラする。じゃあな、お先」
「どういうこと…。日下さんっ! 待って…」
立ち尽くす私を置き去りにし、帰ろうとする日下さんを呼び止める。



