「そんなもんだ。平の件は明日でいい、今日はもう遅いから引き上げて続きは明日だな。日下、風邪ひくなよ」
「へいへい」
「佐々木さん…、明日は来ますかね?」
「連絡がつかないからな。電話に出ない奴を心配する暇があったら、帰って寝るんだな。じゃ、お先」
「お疲れ様です…」
突き放したような口ぶりに釈然としないものの、反射的に島野さんを見送り肩を落とす。
続きは明日とは言うが、全部の事務処理が片付いたわけではない。半端に残っている分だけでも処理しておこう。部長の承認印もらわなきゃいけないんだ。
思い立ち振り向くと、タオルを頭からかぶった日下さんが何か考え込んだ様子でこちらを伺っていて、予想だにしていない言葉が投げかけられた。
「そういやお前、告られた奴と付き合うのか?」
「え…? 今日、たまたま会ったので断りましたけど…」
一応。と、心の中で独り言を呟いた。口に出せばまた呆れられるのが関の山だと飲み込んだ。
「へぇ…。そいつはつまんねぇな、お前が誰かと付き合えば面白しれぇのに」
何が面白いのだろうと、口の辺りを緩めた日下さんを見上げる。
席へ戻ろうと足を動かしたのと、日下さんが私の席に立ち、机の引き出しを開けたのはほぼ同時だった。
開けられた一番下の引き出しから、溜め込んだ紙切れをかっさらう。きっぱりとした足取りでゴミ箱へ向かい、紙ゴミ入れへと放り投げた。
「な…」
「溜め込むから身動きできねぇんだ。いい加減解れよ。隙間なく埋めれば満たされるのかもしれねぇけど、隙間がない分他のものが入れられねぇんだろ、だから。余裕、ねぇんじゃねぇのか」
それはまるで、心のずっと奥で燻っている想いを暴かれたような言葉で、見据えられた瞳には隙がなく、捕らえられた視線は逸らせない。
「へいへい」
「佐々木さん…、明日は来ますかね?」
「連絡がつかないからな。電話に出ない奴を心配する暇があったら、帰って寝るんだな。じゃ、お先」
「お疲れ様です…」
突き放したような口ぶりに釈然としないものの、反射的に島野さんを見送り肩を落とす。
続きは明日とは言うが、全部の事務処理が片付いたわけではない。半端に残っている分だけでも処理しておこう。部長の承認印もらわなきゃいけないんだ。
思い立ち振り向くと、タオルを頭からかぶった日下さんが何か考え込んだ様子でこちらを伺っていて、予想だにしていない言葉が投げかけられた。
「そういやお前、告られた奴と付き合うのか?」
「え…? 今日、たまたま会ったので断りましたけど…」
一応。と、心の中で独り言を呟いた。口に出せばまた呆れられるのが関の山だと飲み込んだ。
「へぇ…。そいつはつまんねぇな、お前が誰かと付き合えば面白しれぇのに」
何が面白いのだろうと、口の辺りを緩めた日下さんを見上げる。
席へ戻ろうと足を動かしたのと、日下さんが私の席に立ち、机の引き出しを開けたのはほぼ同時だった。
開けられた一番下の引き出しから、溜め込んだ紙切れをかっさらう。きっぱりとした足取りでゴミ箱へ向かい、紙ゴミ入れへと放り投げた。
「な…」
「溜め込むから身動きできねぇんだ。いい加減解れよ。隙間なく埋めれば満たされるのかもしれねぇけど、隙間がない分他のものが入れられねぇんだろ、だから。余裕、ねぇんじゃねぇのか」
それはまるで、心のずっと奥で燻っている想いを暴かれたような言葉で、見据えられた瞳には隙がなく、捕らえられた視線は逸らせない。



