ニットカフェのプランニングに参加したのち、地下鉄とバスを乗り継いで、街から外れたところ。畑一面にはまだ雪が残っていた。
白い建物の自宅兼カフェは、初めてアシスタント一式任された案件。ちょうど4年が経った。
お店の扉を開けると、嬉しそうに本村さんが出迎えてくれた。学校が春休みでなければ賑わっているはずの店内には、お客さんはひとりもいない。
カウンター前の椅子に腰を掛ける。カウンターの台には本村さんお手製のランチマットが均等に並べられてある。丁寧な縫製で私の手縫いとは断然にレベルが違う。
「毎年、来てくれてありがとう」
「いえ、年に一度しか来れなくて申し訳ないです。どうですか? 何か不具合はないですか?」
「表の看板が色褪せてきちゃってね。そうしたら主人がペンキ買ってきて塗り直してくれたの。掲示板が外れちゃった時や、他にも色々やってくれてるわ。娘も新メニューを次から次へと考えてくれて。私もお店が暇なときにはこうしてミシン踏んでいられるのよ」
「それは楽しそう。家族が協力してくれるっていいですね」
「今が一番充実していて幸せなの。せっかくだから、新メニュー食べてってくれるかしら?」
「もちろんですよ、実はお昼まだでお腹空いてたんです」
決して広くはない店内には、変わらず本村さんの夢が溢れていた。
黒板にはお客さんとして来てくれている学校の生徒が書いたらしき落書き。掲示板には学校で配られたであろうプリントが貼ってある。少し色褪せた壁紙は教室をそっくりそのまま写し出していた。
当時のパース図通り、あの頃のまま変わっていない店内を見回す。
高校の近くにこんな隠れ家のようなカフェがあったら、毎日通ってただろうなあ。通ってもせいぜい駅の売店くらいだった。
白い建物の自宅兼カフェは、初めてアシスタント一式任された案件。ちょうど4年が経った。
お店の扉を開けると、嬉しそうに本村さんが出迎えてくれた。学校が春休みでなければ賑わっているはずの店内には、お客さんはひとりもいない。
カウンター前の椅子に腰を掛ける。カウンターの台には本村さんお手製のランチマットが均等に並べられてある。丁寧な縫製で私の手縫いとは断然にレベルが違う。
「毎年、来てくれてありがとう」
「いえ、年に一度しか来れなくて申し訳ないです。どうですか? 何か不具合はないですか?」
「表の看板が色褪せてきちゃってね。そうしたら主人がペンキ買ってきて塗り直してくれたの。掲示板が外れちゃった時や、他にも色々やってくれてるわ。娘も新メニューを次から次へと考えてくれて。私もお店が暇なときにはこうしてミシン踏んでいられるのよ」
「それは楽しそう。家族が協力してくれるっていいですね」
「今が一番充実していて幸せなの。せっかくだから、新メニュー食べてってくれるかしら?」
「もちろんですよ、実はお昼まだでお腹空いてたんです」
決して広くはない店内には、変わらず本村さんの夢が溢れていた。
黒板にはお客さんとして来てくれている学校の生徒が書いたらしき落書き。掲示板には学校で配られたであろうプリントが貼ってある。少し色褪せた壁紙は教室をそっくりそのまま写し出していた。
当時のパース図通り、あの頃のまま変わっていない店内を見回す。
高校の近くにこんな隠れ家のようなカフェがあったら、毎日通ってただろうなあ。通ってもせいぜい駅の売店くらいだった。



