優しい胸に抱かれて


すぐさま薄くて小さなピンク色の紙袋を開ける。

出てきた中身は2種類のマグネットブックマーカーだった。一つは赤と緑、もう一つはピンクと水色のギンガムチェックのクリップ。

使っているメモ帳の栞代わりに、付箋をいくつか貼り付けていた。貼っては剥がしを繰り返していて、無くしたり鞄の中でちぎれたり。クリップに変えても同じで、利便性に欠いていた。それを知っててくれたのかも、と、

早速、メモ帳に挟み大事にしよう。と、嬉しさのあまり、机の上で意味もなく開いたり閉じたりしていた。

誕生日を知っていてくれたことにびっくりした。けど、もどかしくしているのを知っていたことにも驚いた、23歳を迎えた日だった。

お礼を言わせてもらえなかった私は、その特徴がない顔が二つ並んだ人形をこっそり写真を撮りカードにした。私に見立てたそれに吹き出しを描いて『ありがとうございます。大事に使います』と、記入して彼の机の上に置いておいた。

後になってそれが返ってきた。『どういたしまして』と、付け足されていた。

私は一緒にいて楽しかった。つまらない、面白くないと思ったことはなかった。ナポリタンばかり食べていはいたけれど、美味しそうに嬉しそうに食べている姿をずっと見ていたいとさえ思っていた。

彼の好きな人はどんな人なんだろう。どんな人と付き合っていたのだろう。そう考えるようになっていた。