双子の御曹司


「ねぇ? 麗華ちゃんてさぁ、リサイクルショップに売りに行った事ある?」

「勿論、有りますよ。プレゼントもらっても趣味じゃなかったり、ダブったりしたら、売りに行きますよ!」

プレゼントもですか? さすが麗華ちゃん!

「なにか売りに行くんですか?」

「うん。近々引っ越すから、電化製品とか使わない物売りに行こうと思って?」

「え? 遥さん、それって結婚ですか?」

「う、うん… 式はまだなんだけど… 先に籍を入れようかって?…」

「籍だけ? って急ぐんですか? ひょっとしてできちゃった婚?」
麗華ちゃんは声を潜めて聞いてきた。

「違う違う出来てないから!」
慌てて手と顔を横に振る。

「なかなか、彼と会える時間が作れないし、西園寺さんが名駅前のマンションに引っ越す事になったから、一緒に住む事にしたの。 私も通勤に便利だし?」

「名駅前のマンションって…凄い! 億ションですよね?」
目を丸くして興奮してる麗華ちゃん

「億ションかどうか知らないけど、借り物だから…」

「じゃ電化製品とかほとんど要らないですよね? …それ私に譲ってくれませんか?
ちょうど私、一人暮らし始めようと思ってたんで!」

「うん、良いよ? ひと通り揃ってるから、良かったらみんな使って?」

「有難うございます!」

麗華ちゃんは喜んで、もう、一人暮らしの事で、頭がいっぱいのようだ。

「さぁ仕事仕事、麗華ちゃん仕事しよ!」

浮かれてばかり居られない。今日月曜日は、商品発注日、以前のようなミスをしないようにしないと、またいろんな人に迷惑を掛けてしまう。
頑張ろう!

竜仁さんに会えない日々は寂しい。
でも、仕事をしてる間だけは、その寂しさを忘れさせてくれる。

そして水曜日、入荷商品の確認、品出し、企画の確認などで、あっという間に1日が終わってしまう。

あー今日は、本当疲れた…

事務所に売上金と、日報を持って行く。

「お疲れ様です。」

「おー遥、お疲れさん。売上はどうだった?」

「予算ギリギリってとこです。」

「そうか? まぁ予算いけば良しだ。気をつけて帰れよ?」

「あの…副店長ちょっといいですか?」

「ん? どうした?」

「えーと…ちょっとここでは…」

小声で言うと副店長は「ちょっとコーヒー飲んで来る。」と、事務所から出て、バックヤードの片隅にある自販機まで行く。

「遥、ブラックだよな?」と、私の分のコーヒーを買ってくれた。

「有難うございます。」

側にあるダンボールに腰掛けると、1口、コーヒーを飲み、副店長は「どうした?」と聞く。

「実は、西園寺と結婚する事にしました。」

「おめでとう。由香里からも電話もらったよ? すごく喜んでたな? 式はいつ頃だ? 仕事はどうする?」

「仕事は暫く続けます。
取り敢えず入籍だけして、式はこれから考えます。で、改めて西園寺さんがご挨拶に伺いたいって言ってるんですけど、近いうちにお邪魔して良いですか?」

「あぁ、瞳も喜ぶよ?」

「また連絡しますね? お先に失礼します。」