食事を済ませ窓から夜景を見ていると、後ろからそっと腕を回され、首筋を唇がなぞる。
「私、ホテルの前を何度か通った事あるんですよね? ひょっとしたら西園寺さんとすれ違ってたかも?」
「そうだね? でもこれからは、すれ違ったりしないよ? こうして遥の手を離さないから?」
左手の薬指にひんやりと…
視線を落とすと、細いリングにピンクダイヤ
「あっ…」
体の向きを変えられ向き合う。
「渡瀬遥さん、僕と結婚して下さい。」
プロポーズされた。
「……」
涙があふれ溢れる。
「遥? その涙は悲しい涙? それとも嬉し涙?」
「バカ! 嬉し涙に決まってるじゃないですか?」と彼の胸を叩く。
「じゃ返事は、YES?」
「勿論、YES! ずっと側に居るからね?」
「あぁ離さない。 ずっと俺の側にいてくれ?」
私は彼の首に腕を回し、キスをする。
そして…
「抱いて下さい。」と彼の瞳を見つめる。
竜仁さんは少し驚いてから、優しい眼差しを向ける。
「遥…無理しなくても良いよ? 俺、待つって言ったろ?」
「ううん。 …抱いて欲しいの… 身も心もあなたでいっぱいにして欲しいの。」
「良いのか?」

