「遥ちゃーん、これどう? 赤? 白? ピンク? レースも良いね? これ紐じゃん? 隠せるの? あー、こっちが後ろか?」
「………」
お願いですから…
そのノリやめましょ?
店員さんや、他のお客さんまでが、クスクス笑ってる。
「西園寺さん、下着は今度にします。」
「えーじゃー。」
またしても、悪魔降臨である。西園寺さんはニヤッと笑って、私の両肩に手を置く。
「分かりました…買います! でも、1人で選ばせて下さい。」
西園寺さんには、ショップの外で待っててもらう事にした。
「じゃ、決まったら呼んでね? 俺がプレゼントするんだから?」
「はいはい…」
嫌だと言っても、無理でしょう?
ハァ…
なんだか西園寺さんのペースにのせられてる…
暫くして、仕方なく西園寺さんを呼ぶ。
「遥、決まった? じゃこれの色違いもね?」
3セットを色違いで?
黒なんて、着けたこと無いけど、いつ使うのかな…? と、思いながら、結局買ってもらった。
一度荷物を車に乗せ、私の要望で、お昼はお蕎麦屋さんに入った。
天ざる蕎麦を食べ、竜仁さんの部屋へ戻る事にした。
「遥ちゃん洋服クローゼットに掛けとくね?」
「あっ自分で片付けます。」とクローゼットへ向かう。
「じゃ、俺コーヒー入れるね? ホットで良いんだよね?」
「はい。すいませんお願いします。」

