双子の御曹司


竜仁さんは店員さんに
「彼女に似合うのを、いくつか見せて?」と言う。

すると、店員さんは「お綺麗な方で、スタイルも良いので、選びがいがありますわ!」と選びだす。

いやいや、そんなセールストークはいいので、出来るだけ、お安いのを持って来て下さい?? と、言いたい……
でも無いですよね? ゼロが4つ程度の、物なんて…

店員さんは、ニコニコ営業スマイルで、数点持ってきた。

「遥、着て見せて?」と、彼に言われ、お姉さんに試着室を案内される。

フィッティングルームに入ると、値段が気になり、直ぐさま値札を探した。

貧乏人の悲しい習性だろうか?…
どうして?
何処にも値札が、付いていないようですけど?…

嘘!
値札が付いて無いなんて、怖すぎる!

ハァ…
本当に夏のボーナスどころか、冬のボーナスまで無いよ…
取り敢えず、試着しますか…
こんな事もないと、こんな高価なブランド、試着する機会もないだろうから…?

やっぱり高いだけあって、肌触りも、着心地も良いな…

私は、フィッティングルームから、そっと出る。

「あの…どうかな?…」

「うん! 遥に良く似合うよ? じゃーこっちも着て見せて?」

と、言われ、次々と着試着させられた。

どれもみんな綺麗なシルエットで、着心地も良かった。
さすがお高いだけある。
さて、これだけ着て、何も買わずに帰ることできないよ?
さて、どれにしたものか?
値段が分からないだけに、決めかねる。

だが、西園寺さんは、私が試着した全てを買うと言うから、もうビックリ!