双子の御曹司


私達は、駅前の百貨店へ出掛けることした。

「稔くんのプレゼント、何がいいですか?」

「俺、分かんないから、毎年聞くんだよなぁ? でも、今年は、プレゼントに遥を連れて来てくれって言ってたから、プレゼントは良いんじゃないか?」

「ダメです! 私は稔くんにプレゼントしたいです。」

稔くんは戦隊物はもちろん好きだけど、お絵かきも好きだという事で、スケッチブックとクレヨンにした。

「さぁ、次は遥の洋服を見に行こう?」

手を繋いで、連れられて行ったお店は、チョーお高いブランドショップ。

無理! 絶対無理!
こんなお店で服なんて買えない!
っていうか、入った事もない。
私の夏のボーナスどころか、冬のボーナスまで無くなっちゃうよ…

「あの…ここは…私には無理です…」

立ち止まると「大丈夫」と手を引っ張られて、お店の中へ連れ込まれてしまった。