「クソおやじってスゲー良い! 遥ちゃん最高!」と西園寺さんは笑う。

私は「アハハ…」と苦笑いする。
恥ずかしい…

「遥ちゃんが、処女って教えてくれたのもラッキーだったし、伊月さんにホント感謝だよ!」

「………」

私は何も言えず、顔を真っ赤にして俯くしかできなかった。

恥ずかしくて顔をあげれないよ……
もう穴があったら入りたい…
いや、いっそう自分で穴掘って、入って蓋を締めたいぐらいだ。


そんな恥ずかしいやり取りをしてるうちに、私の部屋のアパートの前まで、車は到着(つい)ていた。

「有難うございました。」

「着いたら電話していい?」

「はい! え…えっと…気をつけて帰って下さいね?」

名残惜しいとはこう言う事なのか? と、初めてしった。

「うん。 遥ちゃんまたあとで?」と、西園寺さんは私の額に軽いキスを落した。

真っ赤になる私に、西園寺さんは、
「今度は、遥ちゃんの唇を貰うからね?」と、言って笑い、西園寺さんの車は走り去っていった。

西園寺さんの言葉、行動一つ一つに、顔を赤くするわたしだった。

部屋に入っても、ぼーとして暫く額の熱はさめなかった。

私は着いたら電話すると言った事を思い出し、机に置いたスマホを正座をして見つめて待っていた。

30分ほどがたった頃、スマホがなり、慌てて画面をタップした。

「もしもし!」

『ククク…速いね? 待っててくれた?』

「えっ? あっはい!」

『嬉しいな本当は、もっと一緒に居たかったけど、我慢できなくなっちゃうからさ? 俺、我慢して帰ったんだから、褒めてほしいな?』

え? 我慢?…

『遥ちゃんのシフト教えてよ?』

「シフト? ですか?」

『そう。 デートのシフト組まないとね? って言っても、なかなか休みは合わないと思うけど、遥ちゃんの仕事終わりに迎えに行けるようにするからさ?』

「そんなぁ… 西園寺さんお忙しいのに…」

『俺が逢いたいから! ダメか?』

「いいえ、嬉しいです。」

『ホント? じゃ、シフトは後でメールして! それと、金曜日の稔の誕生日、行ってくれるよね?』

「本当に行っても、良いんですか?…」

『稔から、プレゼントはお姉さんを連れて来てって言われてる。 5歳児で、女を連れて来てくれって、アイツませすぎだろ? アハハ…』


「じゃお邪魔します。 シフトは明日確認してから、メールしますね?」

『ありがとう。じゃそろそろ切るよ? 遥ちゃんおやすみ。』

「おやすみなさい…。」


私は、スマホを握りしめて、暫くニヤけて居た。
すると足がピリピリジンジン立てない…

「クー…し、しびれてるぅー」