勇気を出して、空を見上げて。



生徒会長が文芸部だし心音ちゃんも文芸部員だって知ってるからあまり感じないけど、学年の文芸部に対する印象はなんか怖い、だったりする。


まあ、この部室を見ると分からなくもないと思ってしまった。


文芸部には、変人が多すぎる。


「……気になりますか?」

「あ、ごめんごめん」

「いえ、初めて入る人大体そうなりますから」


私もそうでしたし、と心音ちゃんが笑う。正直ね、と落とすと物多いですしね、と部室を見回した。


ほんとに冷蔵庫とか扇風機とかあるんだ。これで電気ポットあったら強いな。


あたし文芸部じゃないから使えないけど。


「心音ちゃん一人なの?」

「あ、はい。みんな課外で」

「残って勉強? 偉いね」

「否小説書いてます。友達待ちしてるんで」

「チャリ通仲間の子?」


そうです、と頷いた心音ちゃんに偉いねえと返した。このくそ暑い中、確か一時間弱と言っていたような。


あたしには無理だな。すぐ送り迎え頼みそう。


「天気いいし、わざわざバスもお金かかりますしね。本数もないし。暑いのはまあ得意ではあるので」

「あたしも寒い方が困るけど……にしても暑そう」

「暑いのは暑いですよ? 冬が怖いですね……」

「熱中症とか気を付けてよ?」


私よりさっちーの方が不安ですけどね、という心音ちゃんの方が、あたしには不安なんだけど。


慣れてるっていうのも嘘ではなさそうだけど、そういう問題ではなくて。


うまく言えないというか、言っちゃいけないというか。


「ていうか、その言葉そっくりそのまま返しますよ」


困った顔をする心音ちゃんに、この間のことを思い出してあたしはごめんね、と軽く謝った。


「びっくりさせたよね、この間。ごめんね、大丈夫かなって思ったんだけど……迷惑かけちゃって」

「謝らないでください! 私、何もしてませんし! わたべさ……柚都さんと星さんがいなかったら、どうなってたか」

「んー……じゃあありがとう、かな」


あそこで引き止めてくれなかったら、それこそどうなっていたかなんて分からない。


あのまま、あたしは帰ろうとしていたから。


あの状況で帰っていたとしたら、もしかしたら、あたしは。でも、それが役割でもあって。


正解なのか失敗なのか分かんないけど、結果的に助けられたわけだし、結果オーライなのかもしれない。


星も、あれがあったからこそ動けた、とも言っていた。それなあの身体じゃあ、結局どうにもできなかった。


オーキャンにいけたのだって、ほぼ気力だ。


「まだ二人のところにいるんです?」