勇気を出して、空を見上げて。



今日からでも動こう。これ以上後手に回るわけにはいかねえ。


心奈は、柚都に頼んでおけばいい。今の心奈には柚都もいるけど、他の奴等もそうだとは言い切れない。


明日、真湖が来るまでにとりあえずひと段落つける。真湖が来るのは遊ぶのが最大の目的ではないし、自分の状況をあの子は分かってる。


心奈とは顔見知りだし、柚都もいるから大丈夫だ。とにかく徹夜でいいから連絡取らねえと。


「星、俺心音ちゃん駅まで送ってくるね」

「え、別に大丈夫ですって」

「この辺り少し複雑だから。それに大の男が二人も揃って女の子一人で帰らせられないって」

「……すみません、ありがとうございます」

「素直でよろしい。ってことで星、俺行ってくるね」


強制的に思考の海から引っ張り上げられて、おうと軽く同意した。


玄関に向かう二人を見送って、あ、と心音を呼び止める。振り返った心音に心奈の眠る部屋のドアを示すと、小声で問いかけた。


「様子、見てくか?」

「……いえ、いいです。折角寝たのに起しちゃったら悪いですから」

「そか。あ、心奈の連絡先は今度会った時にでも聞いてやってくれな」

「は、い。ありがとうございました、お邪魔しました」


また来いよ、と返して、部屋を出ていく二人を見送った。


はあ、と溜め息を吐いて廊下の壁に背中を預ける。嗚呼、柚都金持ってったかな。食材全くねえんだけど。


まだまだ未熟だな、と痛感した。まあ、まだ大学生だけど。


正直、もう大学生だと、思った。


ち、と舌打ちをして、ポケットからスマホを探し出す。今のうちにできる連絡は済ませておこう。


ロックを解除すると、連絡先から一つの名前を探し出した。


まずは、仁から。他はそれから、仁に連絡すれば幾つかに連絡は回るはず。


発信ボタンをタップして、コール音が一回、二回、三回。


『もしもしどうした』

「暇かよはええな」


三回目のコールが終わる前に出た。この時間だと仕事か、だとしたら少し時間かかるかと思ったが。


ちなみに仕事中でも基本的に電話には出る、マネしちゃいけないタイプの成人であると俺は思っている。


『今日休みなんだよ。「副業」は、な』

「あー……そういや今日火曜か。明日は、否今日の夜は空いてるよな?」

『何があった』


ふざけていた声が一気に真面目なものに変わる。流石だな、と思いながらどこから話すべきか逡巡。


仁のところに行くとしても、柚都が帰ってきてからになる。


「あー……とりあえず、心奈が熱出してふらふらしてんのを保護した」

『何度』