「四講の一か二」
「多分二じゃん、こっちが一だったから」
「じゃあ一だ」
さっちーのだれたセリフに、端的に答えだけ返した。
それにしーふが補足、どうやら普通科が四講の一らしい。ということは二で確定。
その昔、生徒数が多かった頃に増設された三棟には一階を除いて二階から四階まで教室が二つずつ入っている。
一階は工芸室。
「一個降りてまだ上がるのか……」
「そうだねー」
「もうやだ疲れるー」
「しっかりおし」
教室棟からしか繋がっていない三棟だが、中から直接繋がっているとなると二階と三階からになる。
文芸部室は四階なので、一階分降りてまた昇るしかない。
うー、と机に突っ伏したさっちーの頭をしーふが小突く。詩月は苦笑、私は見ないふり。
なんだかんだサボることはしないから、言わせたいだけ言わせておくに限る。
「てかもう四十五分じゃん」
「うわ行くよー」
「うぃー」
食べ終わっていた物を片し、計七人で大移動。
普通科がしーふとまおー、沙菜ちゃん。
SSHが私とさっちー、詩月、ゆーちゃん。
ゆーちゃんはH組で理数科だ。
「おかんあたし教室着いたら、寝るね」
「そうしろ」
「めっちゃ眠いー」
「時間になったら起こしてやるから」
謎の宣言をしてきたさっちーをあしらい、教室に着くと三人で横一列に座った。
荷物を置くなり迷いなく机に突っ伏したさっちーに詩月と笑う。
ゆーちゃんは他のH組のこのところへ行ったため三人だ。
ふ、となんとなしに思い出す。
今日は、ハナちゃんがいないから。森山も、いないから。
もし二人がいたら、私は一体誰と一緒にいたのだろうか、と。
教室に入ってきた先生がプリントを配っていく。気付かずに寝るさっちーの分も受け取り、後ろに回す。
なるように、なるかな。
心の中でそっと結論をつけて、私は時間ぴったりにさっちーを起こした。


