意識を引き戻されるように目を開けると、目の前には真っ白い天井があった。



「やっと起きたか」


顔を向ける。

傍らで呆れた様子の充がいた。


その後ろには、カイジと翔が、腕を組んで立っていた。



「状況、わかるか? ここは病院だ」

「どうして俺は生きてるの」


かすれた声を出したヨシキに、充は「この馬鹿が」と吐き捨てるように言って、



「あのな、お前はガス自殺がしたかったんだろうけど、都市ガスには一酸化炭素が含まれてねぇの。だから、お前は生きてるわけだよ。で、ここに運ばれたのは、ハーブの吸いすぎでラリってぶっ倒れてたからだ」

「……そん、な……」

「確かに俺はあの時、お前に自分で決めろとか楽になっていいみたいに言ったけど、それは死ねって意味じゃねぇよ。生きててほしいから言ったんだ。勘違いすんな」

「………」

「つーか、人の新居で何やってんだよ。マジでありえねぇ」


涙が溢れた。

死にたかったのに死ねなくて、こんな無様な姿を晒した上に、みんなに迷惑を掛けてしまって。



「ごめんなさい。でも、俺は」


言い掛けたヨシキを遮るように、今まで沈黙を貫いていた翔が、「兄貴、どいて」とベッドの横まで歩を進めた。

刹那、翔はヨシキの胸ぐらを掴み上げ、



「ふざけんじゃねぇぞ、てめぇ! 自分が何やったかわかってんのかよ! あぁ?」


怒鳴る翔を、「やめろよ」とカイジは制すが、



「うるせぇ! 黙ってろ!」


キレた翔が一喝した。

翔はヨシキの胸ぐらを掴んで激しく揺すりながら、