墓参りを終えたタイミングで、カイジから電話が掛かってきた。


ちょうど昼だったので、近場のファミレスで会おうという話になった。

行ってみたら、充もいたから驚いた。



「うっわー。どうしたの? ふたり揃って、珍しいね」


煙草を咥えているカイジと、常に眠そうな顔の充。


久しぶりに会えて、ヨシキも嬉しかった。

昔に戻ったように錯覚したのかもしれない。



「墓参り、行ってたんだって?」

「うん。ふたりは? もう済ませた?」

「俺はエミと朝方に行ったんだけど、そこでカイジとチロに会って。で、女ふたりはそこから話が弾んでショッピングだとよ。元気なもんだぜ」


「なぁ?」と充が話を振ると、カイジも呆れたように肩をすくめて見せた。

ヨシキは笑う。



「いいなぁ。俺もエミちゃんやちひろちゃんと会いたかったなぁ」


カイジの煙草の箱に手を伸ばそうとしたが、「それ俺のだろ」と怒られた。

ヨシキはまた笑いながら、



「翔は? どうしてる?」

「あいつ、何か最近、仕事始めたらしいぞ」

「うっそ」

「先輩だか知り合いだかが、輸入雑貨の店やってるとかで、とりあえず頼まれたからバイトって感じ? で、ゆっくり自分のやりたいこと見つけるんだとよ」


あの、翔が?



少し驚きだったが、それと同時に何だかおいてけぼりを食らったみたいに感じてしまう。

いつまでもあの頃に取り残されているのは自分だけみたいに感じてしまって。


なのに、そんなことを気にもしてくれない充は、さらに言った。



「俺も来月から親父の会社で働くことにしたんだよ」

「えっ」