不思議の国の帽子屋

「スペードの旦那ぁ、俺あんた好きだ」


照れからか眉間にふっかい皺なんか寄せちゃって、ぶっきらぼうに自分の隣を指差すスペードの3。


俺はスキップしながら、嬉々とそこへ向かった。

男前なんだからスペードの旦那めっ!


あんたのそういう所好きだぜ。


スペードのトランプ達があからさまに嫌そうな顔するが、関係ない。



スペードの旦那は腕組みして前方をただ見据えていた。


俺と反対側のダイヤの7が小さく、お人好しねと呟いた。


微かに微笑みながら。