ひどい頭痛で目が覚めた。

頭を抑えながら周りを見渡す。

私は、狭い牢屋の中にいた。


鉄格子に囲まれ、自分の足を見ると

私の右足は足枷で自由を奪われていた。


なんで、、私ここにいるんだっけ?


見知らぬところにいるのに

妙に落ち着いている自分が不気味だった。


ズキン・・・!

後頭部あたりに激しい痛みが走る。

そうだ

下校中に・・・

黒いワゴン車が私の前に停まって・・・

それで・・・えっと・・・


だめだ、思い出せない。

頭を抱えていると、

いつのまにか鉄格子の前に

黒いスーツで身を包んだ男2人が佇んでいた。


その男達を見た瞬間に私は思い出した・・・

こいつらが、私を拉致したことを。


此処につれてきたのもこいつらだ。

一気に恐怖がこみ上げてくる。

彼等は鉄格子を開き、私に近づいてきた。


「やめて・・・。こないで!」

私はしゃがみ込んだが、

男達は無理矢理私を立たせると

不気味な笑みを浮かべ、こう言った。

「お前はこれから、

 オークションで売られるんだよ。

 その顔なら高く売れるぞ。

 よかったな。」


「・・・・。」

驚きのあまり返す言葉が見つからない。

「家族に売られるなんてかわいそーな娘さん。」

彼等はけらけらと笑うと

オークション会場へ連れて行くといって

足枷をはずした。