人一倍努力して笑っているのかな…と考えた。

その笑顔が本物になれるよう、力を貸してあげたい。


自分のことは嫌いだけど、田所さんのことはきっと……



(…好きだから……)


一歩下がって冷静に自分を見つめ直してそう思った。
あの公園で彼と時間を過ごした時、心の中にあの人が溶け込んでいく様な気がした。


だからこそ切なくなって泣いてしまった…。


絶対に本気になんてなってもらえない…と、自分が一番知っていたから。




『TADOKORO YUUMA』


ローマ字表記の彼のメアドを確認して目を閉じた。

瞼の裏に映る彼の物憂げで寂しそうな瞳を何より一番信じたい…と願う自分がいた……。