華蓮の過去は辛く、悲しいものだった。
愛してる人が自分の目の前で……
華蓮は強いフリをして実は誰よりも弱く脆い。
俺は静かに華蓮を抱きしめた。
じゃないと華蓮がフラ~っと、どこかに消えてしまいそうで怖かった。
教師の俺がこんなん思うのはやっぱダメかな。
初めは『なんやコイツ。めっちゃ問題児やん』って印象は悪かった。
だけど、華蓮と話してて何か大きなものを抱えてるような気がして、それにコイツは笑ってるけど全く笑ってなかった。そんな奴を守りたいと思った。
コイツは俺が守る。
俺は心の中でそう決めた。