お昼ご飯も食べ終わり、春佳と一緒にブロック席に戻ろうとしたら教室前の廊下に亮ちゃんがいた。
いつも思うけど、お疲れ様やな。
こんな時にでもパトロールとか。
亮ちゃんはいつも通り
亮「シャツを入れぇ」
って言ってくる。当然私もいつも通り
『無理。シャツを入れるとかダサいから』
と反論。
それに、他にもう一つの理由がある。
それは私には沢山の荷物を持っている。
荷物を持ってたら入れようにも入れられない。
亮「荷物持ったるから」
と私の考えが分かったのか知らないけど、そう言うてきたのでお言葉に甘えて私が持ってる全ての荷物を亮ちゃんに渡した。
亮「はぁ〜?!」
亮ちゃんは驚いてた。
まあ、そりゃそうでしょうね。
少しだけやと思ってたら、荷物全て持たされたのだから。
私はそれから素直にシャツを入れて再びブロック席へ向かった。
その後の競技は男女演技で、女子はダンス、男子は組体をした。
ダンス演技を終わると亮ちゃんが私のトコに来て
亮「お前、なかなかダンス上手いやん。」
と褒めてもらった。
私は誰かに罵られるのはしょっちゅうあったけど、褒めてもらうのはなかったので、嬉しかった。
その日の体育祭は誰も怪我をせず、無事に幕を閉じた。