貴女と貴方


そんなこんなで慣れた道を抜けて

高校が見えた。

校門の前には新入生と思われる人が大勢いた。

その校門を通り過ぎて、裏門へと向かう。

人が多い所はどうしても慣れないからだ。

裏門を抜けて、生徒昇降口で上靴に履き替える。

廊下に張り出された組割りをみて、自分が1-8だと言う事を確認する。

そして、私は迷いもせず1-8へ向かった。


教室にはほぼ全員の生徒が集まっていた。

私は黒板に貼ってある座席表で自分の席を確認する。

一番後ろの窓側の席だ。

どの学校も初めの席は大抵出席番号順なのだが、ここの学校は初めからバラバラのようだ。

だって、藍井って子が私の目の前なんて、普通おかしいでしょ?




しばらくして、担任だと思われる先生が入ってきた。

「えー。今から体育館で入学式がありますので廊下に並んでくださいー!」

そう、大声で言い放つと先生は廊下へ出た。

次々と生徒達が出ていく。

ざわざわと音を立てながら、先生に注意されながら体育館へ向かう。