貴女と貴方


2012.4.12

その日は春とは思えないくらい暑い日だった。

太陽の光がアスファルトと焦がす。

その光は木陰を生み、私の影を作る。

12日前までの寒さはどこかへいって一気に春らしくなった。



今日は、この春から通うことになる高校
「日和ヶ丘高校」の入学式だ。

新しい制服に身を包み、新しい靴を履く。

私は慣れた足取りで学校へ行った。

途中吹く風が心地よい。

途中雲のお陰でできる影のせいで寒くなる。

身震いはしない。

だけど、コートは手放せない。

学校に行ってたら、誰がいるんだろう。

どんな事が待ってるんだろう。

そんなうきうきした気持ちとは裏腹に

ひとりになったらどうしよう。

楽しみがなくなったらどうしよう。

そんな不安な気持ちも出てくる。