あー混乱するか…。





朝陽さんの本当の名字は、中野。





何を隠そう、俺らが通う学校の理事長の息子だ。





なんで雪村って名乗ってるかは、俺にも分からない。





まぁ、茉汐を守る為だろう…。





「大丈夫。大丈夫だよ真白くん。」





目に涙を浮かべながらそう言う朝陽さんだけど、どこも大丈夫そうに見えない。




「っと、茉汐は話してくれた?」





………………………………。





黙って首だけ横に振る。





「そっかぁ。茉汐は覚えてないもんなぁ。パニックだったからね。」





自分の背中の、腰あたりを撫でながら笑う朝陽さん。




なんてとも言えない感情が溢れて





「すみません。」





って言った。