キス、のち涙。

「わかる?祥吾はもうすぐ、天国へ行くんだぞ。」

「・・・・・・。」

「死ぬ人の方が、あんたよりよっぽど怖いんだぞ。」

「・・・・・・。」

「別れの前に、笑顔で見送ってやりなよ。」

「・・・・・・。」



そうだ・・・・・・。

長谷川君の言う通りだ・・・・・・。


今・・・・・・一番怖いのは、私じゃない。

もうすぐ天国へ行く、祥吾なんだ・・・・・・。






私は震える手で、祥吾の手をそっと握った。