「…ち、違う。違う違う!! あたしはずっと先輩のことが大嫌いで今も昔もそれは変わらないんです!」 気付けば、いつでも先輩から離れられるように抑えられていた手首は外され逃げ道は作られていた。けれど、それをわかっていながらどうしても先輩の元から離れられずにいてずっと首を横に振り続け否定を示し続ける。 「だったら、俺から離れればいいだろ? わかっているだろ、ちゃんと俺から逃げれるようにしてあげてるの」 「…」