「大体何が恋愛よ!馬鹿馬鹿しい!大方、他の女の人に飽きたから世間知らずで騙せそうなあたしにこんな事言ってるだけですよね!」
どんなに罵声を浴びせようがどれほど否定の言葉を吐こうがそれでも尚、先輩はいつもと変わらない笑みを浮かべ、うん、うんと否定もしなければ肯定もしない。
いつだってこの人はそうだ。掴み所がなく、何を考えているのかさえわからない。才能豊かで雲の上の存在のような人で。
「恋愛が何よ!そんなの所詮妄執にしか過ぎないじゃない!好きだなんて、今にも冷める感情なのに!だから自分から嫌いになって拒絶してる方が……!?」


