突如現れた世界


周りの情景に

変化は無さそうだ。

ただ、人が消えただけ

いつも耳にはいってくる

笑い声泣き声生活音

全てが消え去って

そこにあるのは

【無】の世界のみ

天変地異とか

村人大虐殺とか

テロとか

嫌な想像しか浮かばない

ただはっきりしているのは

俺以外の誰かが

いるということ


30分程歩いたら

「スタージャ……お前か」

俺のダチのギンガの

妹であるスタージャが

泣き叫んでいた。

「どう…したんだ……?」

「兄ちゃ、んが、死ん、でた」

「は………?」

ギンガが死んでただと?

嘘だ!嘘だ、ウソダ……

「………あそこ」

スタージャが

指で示したところには

「……ギンガッ!!」

ギンガが倒れていて

「おいっ!起きろよ!起きろ、起きろよ………」

必死に揺さぶった

ギンガの体は

ひんやりと氷のようで

「……何で、だよ」

俺の溢した涙が

ギンガの体に触れたとき

ギンガは砂のように

消えていった