【ジューゴ!早く起きなさい!】


毎朝の習慣の母親の怒鳴り声。

それは今日も聞こえるはずだったのに。

今日は何も聞こえない。

静寂だけが訪れた。

俺は気味の悪い静寂に

耳を痛め

起き上がった。

「な……んだ?やけに静か……だな」

明らかにおかしいのは

頭の悪い俺だって

分かることだ。

ただただ時間は過ぎ

馬鹿みたいな静寂は続く

俺以外の全てが無くなったような

なんて考え事をしていた

俺の耳に

「……ふぇ……おか…さん…」

女の子の泣き声が聞こえた。

これ程の静寂の中

小さな声まで聞き取れる。

俺はとにかく

その声の発信源まで

歩を進めることにした。