如月愁馬 side
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俺が学校に来るのはギリギリか遅刻かするのが日常。
不良校ということもあって、
そこら辺は緩いから助かっている。
「いや〜それにしてもさっきのはやばかったね〜」
「笑ってんじゃねえよ春乃!」
俺が登校する前にこの空き教室には桜奈が来ていたらしい。
桜奈は輝の姫だから
この空き教室は自由に使ってもいい。
でも絶対あいつは自分から来ないだろうから
朝昇降口にいたところをここに連れてこさせることにした。
当番制にして、今日は瑠人。
「それで、さっきはなにがあったんだ」
俺が気になっていたことを聞くと、悠弥がぶすっとすねた。
「悠弥がね、桜奈ちゃんにぶたれたんだ〜」
「ばか!違えよ!誤解すんなよ愁馬!」
「女子にぶたれたのか、悠弥」
「おい!愁馬!春乃のこと信じるなよ!?」
ぶたれたって....
なにしたんだ、悠弥は。
「悠弥が顎クイしたら桜奈ちゃんが悠弥の手を叩いたみたい〜」
「知ってるなら最初からそれを言えよ...」
「ごめんごめん〜」
「謝る気ねえだろお前!」
そう言って春乃に飛び乗る悠弥。
うるさいその2人をよそにまだ寝ている瑠人。
