病院についてからエレベーターになって病室に向かう。


プレートに"506"と書かれた病室。


そのドアに手をかけ、扉を開ける。



「あら、いらっしゃい」

「うん。ただいま」



あたしに笑顔で言ってくれたのは、お母さん。

お母さんはあたしが中1のときからここの病院に入院してる。


お母さんはもともと体が弱くて、
風邪でもこじらせて何日も寝込んじゃうの。

本来なら家で生活してもいいんだけど、万が一のために入院してるってわけ。



「お母さん、お花買ってきたよ。お母さんの好きなガーベラ」

「いつ見ても綺麗な花ね〜。ありがとう、桜奈。」



お母さんが入院してるから、家にはあたし1人しかいない。

もう慣れたけど、たまに寂しくなる。