「春乃…お前俺のメロンパンを…!!」

「よそ見してる悠弥が悪いよ~ねぇ、瑠人?」

「…ん~…ごめん何の話だっけ」

「瑠人聞いとけよ!」



3人が騒いでいる間にこの場からいなくなろう…


そう思って再び歩き出すあたし。



すると、



「…おまえ」



如月愁馬に呼び止められた。



な、なんだろう。

はやく教室に戻りたいんだけど…



彼はじっとあたしを見つめてくる。


そしてあたしも…彼のことを見る。


目をそらそうと思えばそらすことができるはずなのに、

どうしてかそれができない。



まるで時間が止まったみたいに…。



「きれいな目してんな」

「…」



あたしを見つめたまま彼はそう言った。


きれいな目…?あたしが…?

そんなことを言われたのは初めてだった。