そう考えているうちに、

あいつは出て行ってしまった。



「...」

「...」

「...」

「...」



残された、あたしを含む4人はその場に立ち尽くした。





そんな中最初に沈黙を破ったのは春乃くんだった。



「愁馬がごめんね。きっと本当に悪かったって思ってると思うよ。愁馬はちゃんと自分の非を認めて、謝ったんだと思う。」




あたし、騙されて謝られたことがあるっけ....



これが初めてかもしれない。



「あたしも、ごめんなさい。取り乱しちゃって...」

「そのことは気にしないで。でも、愁馬が桜奈ちゃんを姫にしたいって気持ちは分かってくれた...?」



あたしを姫にしたいっていう気持ち....



あたしを騙すほど、姫にしたかったってことだよね....?



「わかった....と思う」

「そっか。よかった。....あとは桜奈ちゃん次第だからね。ここに来るか来ないかは。」

「....うん」



あたしはあいつの生徒手帳を春乃くんに渡して教室を出た。