「俺知ってんだぞ、おまえが昨日ウチで駄菓子買ったこと」

伊織は悪いのは私だと断定したような物言いで私に迫る。


…いやね、

「だから何?」

「だから、今日は俺の部屋に来い」

「はあぁあ!?なんで!?絶対嫌!!」


即座に拒否する私に、伊織は何故か呆れ顔でため息を吐いた。

そして、私の耳元に顔を近付け。


「おまえに拒否権は無い」


と。囁くように一言。


「っ、」


瞬間、脳に甘い痺れが走る。