「おまえ、なんで昨日俺の部屋に来なかった?」


……………はあ?

なんでカレカノの会話みたいになってんだ。


チラリ、と。目だけを動かして伊織の表情を伺えば。

それはそれは不機嫌そうな伊織の瞳と視線がかち合った。

思わず、瞳に動揺の色を滲ませてしまう。


「なあ、聞いてんの?」


追い討ちをかけるように言う伊織。


「ぎゃ、逆になんで伊織の部屋に行かないといけないの!?」

「………………………俺にお菓子渡すため?」

「……」


…お菓子目当てかよ。

確かに、伊織らしくて納得がいく。