「…お、お菓子なら、ちゃんと…あげるって…」
その瞳から逃れようと口ごもりながらも必死に言葉を紡ぐ。
それでも、逃れることなんてできなくて。
伊織は表情を変えることなく口を開く。
「…お菓子は後。その前に、ナナに渡したい物がある」
「……へ…?」
あ、れ…?
てっきり伊織はお菓子の事で頭がいっぱいなのかと…。
私は、伊織の言う“渡したい物”とは何か検討もつかなくて、頭にハテナマークを浮かべる。
そんな私の心情を読み取ったのか、そうでないのか。
「いいから目、つぶれ」
伊織はそう言って、私の目元を覆うように自分の手で隠した。

