あめ玉がふたつ

伊織はそんな私を見るや否や、何故かベッドから立ち上がって、私の隣に腰を下ろした。


「……っ」

一気に詰められた距離に、嫌でも顔に熱が集まるのが分かった。


どうしてわざわざ隣に来るの…っ。


触れようと思えば触れてしまえるようなこの距離に心臓が早鐘の如く鳴り始める。

チラリ、と。

伊織を横目で伺い見ると。


「っ、」


伊織の真っ直ぐな瞳が私を捕らえた。