ーーーーーーーー とうとう、着いてしまった。 …伊織の部屋の前に。 私はドキドキと高鳴る心臓を押さえ、深呼吸をひとつすると、ゆっくりと扉を開けた。 キィ。 少し音をたてて開いた扉から、恐る恐る顔を出す。 と。 「…遅い」 出ました。自己中! 伊織は既に帰っていたようで、ベッドに寝転がった状態で私を睨み、不機嫌オーラをかもし出している。 黒い。黒いです。伊織の周辺が黒い。 ていうか制服のままだし。だらしない。